社内で対話の場をつくる
このブログは「ファシリテーター」をテーマにしたアドベントカレンダーの6日目です。
社内で対話の場は設計が大事
企業の中で対話の場は、最近だと1on1が二人組を始め、プロジェクトのチーム、部署、全社員などがあります。そして企業での対話の場は自然発生するというよりは、目的をもった場が多いので、そこには設計が必要になります。特に目的は対話自体が目的のことはなくて、コミュニケーションを円滑にとか、課題を共有するとか、その企業の「今」の状況に必要と思われることが設定されるので、設計は複雑になる考えます。
社内のプロジェクトの対話会を設計した話
全部のパタンを書くのは大作になるので、今回は最近ファシリテーターを依頼された話をさせてもらいます。チームは10人くらいで、目的はチームビルディングです。お話をもらった後に、依頼者と打ち合わせをさせてもらいましたが、最初は依頼者がなぜチームビルディングをしたいのかをヒアリングしました。状況としては立ち上がったばかりのチームで、専門性がそれぞれあるのと、社員ということもあってチームになる以前からの関係性もある人たちもいて、チームでの雑談や定例的な集まりでは普通に会話はできているという状況とのことでした。今回、チームビルディングという依頼になったのは、その状態からさらに踏み込んだ話し合いができるようになっていきたいということでした。最近の心理的安全性の話で、単なる仲良しクラブではなく、主張のぶつかり合いができるなど、議論ができるのが本当の心理的安全性という話題をどこかでみましたが、そういう話なのだなぁと思いました。
対話会にはファシリテーションの隙間を設計に入れる
個人的にチームビルディングにファシリテーターの居る対話の場は相性良いと思っています。特に立ち上がったばかりのチームは、お互いの関係性がワークの時間中にも変化していくことがあるので、ファシリテーターの適応力は効果があると思うのです。なので、設計には大きな方向性を示す主催者の目的と、全部を設計しきらずに変化を踏まえた「曖昧さ」を持たせて設計します。つまりファシリテーションで変化できる余地を残す感じです。分岐点を作る感じとも似ているのですが、変化できる範囲は大きな方向性の範囲で設定しておく感じになります。
参加者の関係性を設計に入れすぎない
企業の対話会は、不特定多数が参加する場とは違って、参加者が明確にわかっていると言う点がありますが、実は設計に入れる匙加減は難しいところがあって、あまり詳しく関係性を聞いていても、それは一方からの見方でしかないかもしれないので、ファシリテーションが事前情報で硬直してしまうことがあるので、専門性の違いなどの属性については設計に使えますが、細かい人と人との関係性はあまり聞かないようにはしています。声が大きい人の存在などはどうしても事前に知ってしまうことがありますが、自分の当日のリセット方法は、当日のテーマに対してのポジショントークを最初の方に入れることで、その場での対話の関係性を感じていくようにしています。
対話自体に対する設計を入れる
そもそも企業の中で議論や報告会などは一般的になってますが、良い感じの対話的なふりかえりの場などをやっているところは少ないという印象なので、テーマに対する発言、考えの言語化をする部分は結構丁寧に入れるようにしています。知識さを意識してしまったり、社歴を意識してしまったりすると発言がしにくいというのも、想定して会話が回るような仕組みも入れるようにします。当日の場では、その仕組みは試してみてフィードバックを得て参加者の対話の感じを得られるために使っていて、仕組みが縛りにならないようには気をつけます。仕組みでやってみた感じでいい感じで話せるようであれば、どんどん場に委ねていくのは私のファシリテーションの特徴かもしれません。そういう時はのんびり対話の場の外側から眺める感じに変えているので、時々そういうある意味ファシリテーションの仕事をしてない感じに見える私を見ている人もいそうです。(笑)
対話の場の設計には主催の想いを場の「曖昧さ」に変換する作業が必要
最後にちょっと抽象的な話をしますが、主催の想いから、つまりは依頼から始まる場づくりは、主催の想いをそのまま直で設計に落とし込むと一方向からの見方が強くなって、対話の場の様な多様性を扱ったり、変化を扱うと良い場になる時には、場の硬直とミスリードになることもあるので、想いをしっかりとヒアリングして一直線な目的への進行から、変化の揺れ幅を許容する方向、方位?くらいの「曖昧さ」に落とし込むことが大事だと感じています。
以上、ファシリテーターのアドベントカレンダー6日目を終わります。7日目は橋詰 英輝 さんの「ダイアログの場で誰から話し出す?について」ですが、今日の「対話の場」と親和性ありそうで楽しみです!